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ツインタワーズがおくる、槇原敬之(ほぼ)全曲レビュー ライトあるみのブログ

6. 素直~album Version~

 「モンタージュ」と同じく、先行発売されました。
マッキーの17thシングル。このシングルより、レコード会社をソニーに移籍。
環境の変化か、マッキー自身の変化か。
ソニー時代のマッキーは明らかにそれまでとは違う印象を与えます。
シングルバージョンはピアノ一本弾き語り。どがつくシンプル。坊主になった写真に、当時度肝を抜かれました…。

アルバムバージョンはピアノだけではなくギターが入り、落ち着いた中にも華やかな感じ。フィンガースナップでカウントを取っていて、スタジオでセッションしている雰囲気です。

発売当時は「どぼ天」と同じく、音楽番組のCMでよく流れてたなぁという印象が。
白い熊?のぬいぐるみで腹話術師を演じるマッキー。
このぬいぐるみがほどよく『ぶちゃいく』なんですよね(笑)ぶちゃいく好きにはたまらん。
シルエットは熊なのに、口元がオランウータン系という。
という事は、これは熊じゃなくて架空の動物なのかもしれません。
何か情報お持ちの方がいらしたら教えてください!
(余談ですが、どことなく「ノラネコぐんだん」に似てます。という事は白熊じゃなくて猫という可能性も?(笑)
今ならグッズとして売り出したら飛ぶように売れそうですね。
真似して腹話術してみたい(笑)ファンが多いと思います。

 

さて。
「素直」、歌手界隈で大変人気があるようで、プロアマ問わず、様々な方がカバーしています。
シンプルで美しいメロディ、歌詞の世界観には『気づき』があり、人に想いを届けるという点で好まれるのかな?と思ったり。

 

フックになる単語が『さびしがり屋』
どこで読んだのか失念してしまったのですが、最初に『さびしがりや』を歌詞に使った曲を、と依頼されて、でもその『さびしがりや』という言葉が嫌で断ったが、考えなおして作った…とか。
ソースを探したんですけど、出てきませんでした。ぐぐぅ。雑誌か本か紙媒体で読んだ記憶があります。
確かに『さびしがり屋』ってマッキーの中から出てきた言葉ではない感じがしますね。
アステル東京のCMだったので、そのCMを探してみましたが動画は見つからず。。
ここでもソニーの罠が?(権利が難しい)

…でも何事も時間をかけて必死になってみるもんですね。
「さみしがりや」を提案した、コピーライターさんのブログを見つけました。ちょっと嬉しい。

一倉広告制作所 | サリンジャーの遺言 2015


数ある槇原敬之楽曲でも、この曲はCMになる率も高く。
どんなときも。」の次に有名なCM曲はもしかしたら「素直」かもしれません。

(「遠く遠く」と良い勝負?)
今回判明しただけでも、1997年にアステル東京、2007年にバンホーテン・ココア、2010年にJR東京。
見事に、90年代、00年代、10年代とばらけてCMになる事で、幅広い世代が耳にした楽曲かと。
特に「MY FIRST AOMORI」は亡くなられた三浦春馬さんの足跡をたどった人々に再見されたと思うので、20年代でも人々に届いたと思います(切ない理由ですが)

 

ここまで、歌詞の解説ではない文章でかなりの文字数を使っております(^^:)

ぶっちゃけちゃうと、実は私、「素直」は少し苦手な楽曲でして。
嫌いというより、聞いてて辛い。
基本的に私は「さびしがり屋」側の人間で、自分の事を話すより、人の話を聞くタイプ。タイトルにもシンパシーを感じて、何だか切なくなっちゃうんです。

歌詞に

今度また僕から先に
話し出したとしても
口をふさいで君の
言葉を逃がしてよ

とあるのですが、

うん ごめん 無理

と思っちゃうんです(汗)

自己開示ってある意味、才能だと思うというか。
いえ、私も文章では思いっきり考えている事を饒舌に語れますが(笑)実際問題「人に話す」とは別なんですよね。しかもネガティブな事だと特に。

自分の話なんて面白くないだろうな、って思ってしまう。あと、ネガティブな事だと気持ちがヤラレやすい(笑)話すと自分もやられるので、話すより人の話を聞いてる方が楽です。そして、話を聞くことで自分に価値を見出す、という背景もあります。

 

そんな気持ちがぶわわ!と「素直」を聞いてると湧き上がってしまう。

歌詞の主人公はさびしがりやに『言葉を逃がしてよ』っていうけれど、さびしがりやはそれを本当に望んでいるのか?と疑問になってしまうんですね。…書いてて面倒くさいヤツだとは重々承知しております(笑)

 

あと、もう一つ理由があって。
最後の歌詞、

言葉を逃がしてよ

言葉にならなくていいから

 

いやいや。

どっちやね~~~ん!!
聞くと必ず突っ込んでしまうんです。
大阪人の性。習性怖い(笑)

 

言いたい事も雰囲気もわかる。単語にとらわれちゃなんね。

言葉にならなくても良いから言葉を逃がしてよってことよね?

いや、ん?

うーーーーーーーん。

ぐるぐる回ります。

 

しかし。

今までの『言葉の魔術師槇原敬之』ならば、違う言い回しがあったんじゃなかろうか??という疑問が鎌首をもたげる。

 

この辺りはいくら考えても答えが出ません。

でも、きっと「素直」という名曲の前では些末な事。

 だから多くの人に選ばれ、愛されているのだと思います。

 

真夜中にひとり目が覚めた時、ラジオから流れていたら胸に響く、そんな曲を作りたかった

 ソニーのサイトに、そんなマッキーの想いが書かれていました。

後に作られた、「僕の今いる夜は」の世界観に通じる気がします。

マッキーの中で作られた、楽曲の種が芽吹き、花を咲かせる。

そんな空想をしつつ、今記事はおしまい。