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ツインタワーズがおくる、槇原敬之(ほぼ)全曲レビュー ライトあるみのブログ

05. I ask.

これまたライブで聞いて、良さに気がついた曲です。

これぞシンガーソングライター槇原敬之ここにあり(表現が昭和ですいません)

鋭い歌詞をポップなサウンドで包んで、ソリッドでクールに仕上げています。

ライブで聞いたら"踊るで”曲(笑)私はそこが重要なんです(笑)

大好きなマッキーと『繋がれる』のは、この瞬間だけなんですもの(感覚的なものですよ、念のため)

 

しかし今回、冷静な気持ちでこの曲を見直してみました。

違う視点でこの曲を分析すると、また違った景色が自分の中に広がって面白いですね。

ファーストインプレッションを信じている私ですが、この曲を初めて聞いた20代より、40代の自分は違う所に目が行きます。

女性は特に老いに対して敏感な方が多いのですが、外見より中身重視なワタクシなので(ファッションは好きですけどね)知識や経験から智慧が熟成していく感じ、年を取るのはそういう意味では多幸感に溢れます。わからないことがわかる喜びは年齢に関係ないのだな、と。

そして、わかったように思っていても、違う見方が存在することに気がつくと、世界は色を変えて、まだまだ楽しませてくれるようです。

 

はい、本題に戻します。

この歌詞、内容ではないけれど、雰囲気が何かに似ているなぁと脳内検索してピーンときたのが『ファイト! 中島みゆき

マッキーも「Listen To The Music2」でcoverしてたので、これ読んでる皆様にもおなじみの曲かと。

 

歌詞の主人公の立ち位置は違うし、歌ってる内容も違うんですけど、どうしてこれを思い出したかというと、

聞いてる人の胸に何かを問うてくる

楽曲だから。

「ファイト!」は応援歌、「I ask.」は自戒曲ではあるのですが、どちらも違う方向を向いているはずなのに、いつの間にかこちらを向いて迫ってくる(笑)んですよね(あくまでイメージです)深淵か。

Und wenn du lange in einen Abgrund blickst, blickt der Abgrund auch in dich hinein.

深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ <ニーチェ善悪の彼岸』(原題:Jenseits von Gut und Böse)第146節>

 

甘い恋の歌も良いですけど、こういう人生を考えさせられる曲は、私の人生に無くてはならないものです。

問いかけることを

辞めれば負けてしまう

簡単に

 まさに。

弱さ、狡さはどんな人間の中にも大なり小なり存在し、日々手ぐすね引いて待ってるわけですよ。人はいつでもダークサイドに堕ちる権利を持ってるんです。ちょっと神様、なんてことを!でも、それさえも自由を我らに与えているというのが神様の懐の広さとも言えるか…。

 

戦う相手はほかの誰でもない 

自分を相手の戦争

 戦争、と書くと物騒ですが、それほどの規模で戦ってるんでしょう。

光が大きければ大きいほど、闇も大きくなる。

 

Wer mit Ungeheuern kämpft, mag zusehn, dass er nicht dabei zum Ungeheuer wird.

怪物と闘う者は、その過程で自らが怪物と化さぬよう心せよ。

先程の「深淵~」の前にこの文章があって。

なんとまぁ、「I ask.」に通じるというか。

真理は突き詰めれば突き詰める程、同じ所に帰結するのではないでしょうか。

物事を突き詰めた結果、自分で出した答えに、いつか他の人の言葉で出会うことがあります。

 

最後に。

「I ask.」には「.」ピリオドがついています。

「どんなときも。」にも丸がついてますね。

これをつける思惑、意思。言い切る事の覚悟。

そんな想いを感じつつ、本記事はおしまいです。

 

 もう一つ、公式チャンネルから。

 

マッキーが「I ask.」を歌ってる限り、”大丈夫“な気がします。

ずっと、歌い続けて欲しいなぁ。