09. I got a friend.
この曲、千文字程度書いて違うなと思い直し、半分以上消しました。
今レビュー中、この分量の書き直しは初。
多くは語りませんが、自分で書いたこの文が自答しております。
創作物って不思議ですよね、受け取る方に形があって、そこに流れ込む水のように変化しますね。
理由はそういう事。あまりにも我が出すぎちゃったので引っ込めました。
自論はあれど、曲に集中。だって『レビュー』ですもん。私にしか書けないエピソードでも、逸脱し過ぎはいかん。
…という前書きはここまでにして、本題へ。お付き合いくださいませ。
まだシャッターの降りている
パン屋からいい匂いがする
こんな体験したことがないのに、不思議と共感できる。
自分がその場に立つ感覚。夜明け頃、パン屋さんがお店を開ける準備でパンを焼いてるんですね。何度もオーブンを使って様々なパンを焼いてるんだろうな、ふんわり甘い良い匂いがするんだろうな、と想像しちゃう。
いや~こういう表現好き。天才槇原ここにあり。
そして朝まで友達と一緒に居る時間。
現在40代、そして家族を持った身としてはなんて贅沢な時間だったんだろう、と思います。今はほぼそんな機会ありません。物理的にもありますが、自分の体力的にもオールは厳しいです(そこ?笑) 青春時代の黄金に輝く想い出。
ふとした僕の一言を
聞き逃さずに聞いてくれた
いいですね、友情ですね。
”聞き逃さない”って、相手の言動に敏感じゃないと無理なんですよ。
プレゼントとかもそうですが、自分が話した何気ない一言を聞き逃さず覚えていてくれて、それを大事にしてくれるのが一番嬉しい。本当にこちらの事を考えてくれてるんだなって思います。
この歌詞にかかってくるのが
僕が一番欲しいと思っている
言葉じゃなくて
僕に一番必要な言葉を考えてくれた
君に感謝してる
ほんとにありがとう
でしょう。
一体どんな言葉だったのか?気になりますね。
でも結構厳しい言葉だったのかも?と想像します。他の人が言いにくい言葉だったんじゃないかな。
つらつらと全体的に歌詞を読んで、 この曲で一番言いたいのは
『”君”の姿勢は素晴らしい』転じて、『こんな人になりたい』イコール『あなたもいかが?』かな、と思いました。
前曲の「さよなら小さな街」も同じくでしたね。
そしてまた『心にうそを付く』というワードが再登場ですよ。
この頃の彼にとってとても大事な言葉だったんだろうな。
人は時として自分にさえ嘘をつきます。
胸がざわついたくせに
その場の感じにあわせて
笑ったことがあったんだ
まさにこういう事ですよね。
でも、生きてるとこういう事ってたくさんあり。
空気を読むなら、波風立たせずスルーの方が賢い場合も多いかな、日本で生きている限り。
…へへ、まぁ、私はどちらかというと空気読まないんですけどね(笑)
というか、どちらかというと、主人公より”君”の方に近いです。
正しい事なら相手に言っちゃいます。相手に嫌われるのは嫌だけど、本当に相手が大事なら言いますね(その辺りが大人になりました。昔は大事じゃなくても言ってたから)
ただ、この歌の”僕”のように取ってくれる人って中々居ないなぁ、と。
まあ、『本当に必要な事』も難しいですよ。
その人(主人公)が納得しない限り、『本当に必要な事』じゃないんで。
禅問答ちっくになりますので、この話はこのあたりで終わります。
ちなみにこの曲、NTT東日本CMソングでした。CMはガッキーが主演。
内容は友情ものと思いきや、地震への備えという。でもうまいのが、『僕が一番~』のサビがNTTの光回線を使った震度予測で、『必要な事を教えてくれる』と繋がって、中々リンクしています。放映は2005年以降なので、CMプランナーさんがマッキー好きだったんだろうなと想像。コンペに勝ったんでしょうね、きっと。
良い曲には間違いないんですが『友達』の定義が歳と共に変化した分、複雑な気持ちが湧き上がる一曲です(何があったんだあるみよ・笑)
友達ってな、人間に対する最高の尊称だとオレは思うぜ!
(CIPHER 成田美奈子著)
アニスの言葉、大好きだったな。