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ツインタワーズがおくる、槇原敬之(ほぼ)全曲レビュー ライトあるみのブログ

09. 明けない夜が来ることはない [ALBUM VERSION]

この「LIFE IN DOWNTOWN」でどの曲が一番好きか?と聞かれると、私はこの曲です。

歌詞も昔のマッキーを思わせる、美しい比喩表現が入っています。

でもどうしても教訓めいた言葉が、全体の曲のイメージを硬くしちゃっているなぁ、と。

文学的な曲、と仮定するならこの感じで良いのかもしれませんが。

メロディラインの緩急、切なさは今までの名曲達に引けを取らない、ドラマティックなものだと思うんです。

ギターの調べが効果的で、主人公の心情を音でより表現してくれてるかな、と。

MVもこれまた素敵ですよ!ぜひGYAOで検索してみていただきたい。

(汽車の客室と、夜明け前から夜が明けた後の線路の様子から、劇場版「鬼滅の刃」を思い出す方も多いかもしれません。煉獄さーん!って炭治郎が飛び出してきそう)

シングルバージョンは不思議な音が沢山入っていて、異世界に連れていってくれるような。

MVでは汽車に乗っていますが、歌詞だけ読むとこれは家の中の設定でよろしいか?

窓際の勉強机に頬杖をついて、外を見ている主人公。

夜更けの空はまだ暗く、そして主人公の心も非常に暗い。暗闇に飲み込まれそうって言ってる位ですからね、そりゃもう、どん底

何があったかわかりませんが、そういう時ってどんな人にもあると思います。

苦しくて眠れなくて、ぼーっと窓の外を夜が明けるまで見つめている…。

『かけ違えたボタン』というワード、うーん、どんな間違いをおかしてしまったのか?

ふっと出てくるのは『あの事』

でもここでは言及いたしません。

主人公は自分で正せたのですから。また間違う事もあるでしょう。その度に間違いを正して欲しいと思います。人は死ぬまで間違え続け、正していくのでしょうきっと。内容は人それぞれだと思いますが。

 

暗闇を切り裂く、朝日の光。

眩しい、その力。

夜はあけるんです、必ず。

 

ちなみに、タイトルの元になったのはシェイクスピアの言葉からかな?と。

「明けない夜はない」

――『マクベス』第四幕第三場

The night is long that never finds the day.

(原文を訳すとまた意味が変わってきますな…)

 

シェイクスピアの方がシンプルですね。

『来ることはない』とマッキーがつけたかった理由については、想像の域を超えませんが…

明けない夜はない、だと夜は必ず明ける、という意味だと思いますが、明けない夜が来ることはない、だと、明けない夜は来ない、という意味。

似てるようでちょっと違う。

その辺りのニュアンスを、突っ込んで考えてみたい所です。

ですが、ここってちょっとデリケートというか、、各個人が考えて欲しい所(だからこそ、こんなタイトルつけたんじゃないかな、マッキーは)

 

私なりの答えで書くと、

『責めるための言葉を全部捨てた僕らの世界には、明けない夜が来ることはない』

これかなぁ。

違うかなぁ(自信無し)

 

夜明け前が一番暗い、とよく言われます。

我々マッキーファンも、今ちょうど夜明け前なのかな。

暗闇を切り裂くような夜明けを、ただただ待っています。