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ツインタワーズがおくる、槇原敬之(ほぼ)全曲レビュー ライトあるみのブログ

10. 今年の冬

本日は「今年の冬」
槇原敬之幸せな2人曲ベストテン(長い)では第3位にランクイン!(私分析ですが)結婚式でも使われたりするのでしょうか?

歌詞は何気ない日常を描きながら曲は壮大な広がりを感じます。
私の中では、旦那さんと付き合っている時の事が思い出される一曲。
付き合った当初から、この曲がずっと頭の中でかかっていたんですよね。
理想だったのかな、この曲の姿勢が。歌詞の僕は立場的に私なんですけど。

 

前回の記事でも書きましたが、「PHARMACY」全体を通して、「?」と思う歌詞がちらほら。
意味がどちらとも取れる、どうとでも取れる。
わざとそうしているのかも、とこの歳になると勘繰ります(アルバム発売日自体、デビューアルバムの発売日と被せてきてますから)
細かい意図にどれだけ気づけるか?…というか、聞いてた25年前に私はどれだけ何も考えずに聞いていたのか、と気づくのが実に面白い(笑)
今よりも自由に何も考えずに音楽を楽しんでいたんでしょうね。
今は分析するのが楽しいので、どちらもアリだと思いますし、同じアルバムを二度三度楽しめる。お得感があります。
……人生なんざ良い方に思ったもん勝ちだなぁというのがここ最近実感している事なんで、忘れっぽいとか浅かったとか、自分を卑下する考えは受容しつつも「まぁいいやん」精神です(笑)
マッキーがカバーした「聞き間違い」の歌詞で、『素直で明るいだけで人には価値がある』は真理なんでしょう、きっと。

 

さて、歌詞を取り上げましょう。

恋人と共に眠る冬の日。
この後、聞いてる人の好みが分かれる部分が。

歌詞の主人公が起きたのは、寝入りばな?もしくは明け方?

私は

君の寝息がとける頃

という部分から、寝入りばなだと思っていまして。

 

次に、

目覚ましの赤いLEDが誕生日の日付になった

という部分でからも、寝入りばな派でございました。

 

え?と驚かれる方もいるでしょう。

目覚ましの赤いLEDが誕生日の日付になった

ここから明け方でしょ?と言われる方も多く。

 

でもこの歌詞自体、ふた通り取れるんです。
時間そのものを日付に見るということが一つ。
もう一つが時間と日付を表示するLED目覚ましも多いことから、誕生日前日深夜に日付が変わった瞬間を見た、という。

歌詞の主人公をマッキーにするか否かも大きいかと。
マッキーの誕生日を歌詞の主人公の誕生日と重ね合わせると、時間は明け方になる。

 

私はこの曲、主人公か彼女の誕生日前日だと思っていたんですよねぇ。

次の歌詞でセーターをあげたエピソードが出てくるのですが、それは誕生日のエピソードで、今年の誕生日(この日)にかかっている、と。
だから、設定は真夜中派。

でも冒頭に戻って明け方眠れなくて起きたとすると、その後のエピソードもどんどん選択肢が増えてくる…。
考えれば考えるほど、分岐点が増えるRPGみたい。自分内迷宮に入っていきそうな曲なんです、「今年の冬」ってやつは!

 

百歩譲ると。
ここまではもう本当に「好み」で良いと思うんです。
自分の想像や体験と結び付けて、自分の内に「今年の冬」世界を展開させて楽しむ、それで良いんだと思うんですよ。

 

しかーし!

気に入ってたセーターを
相棒の犬がかんでいて
ひどく叱りつけていたら
あげたのは私よと笑った

ここ!ここは槇友さんと随分議論した気がします(笑)

 

誕生日のエピソードが先に語られたのを受けて、
・セーターを(誕生日に)あげたのは私よ 派
もう一つの大きな勢力は(笑)
・セーターを(犬の遊び道具として)あげたのは私よ 派

もう一つ。
・セーターを誕生日プレゼントであげたのも犬におもちゃとしてあげたのも私よ 派

 

もうね、歌詞の中の彼女の性格が肝ですよね(笑)
これまでも槇原敬之作品では小悪魔な女の子が多数登場しており、性格が良い女の子って数えるほどじゃないかなって。
その点から考えると、もう古くなったセーターを犬のおもちゃとしてあげた…のか?

はたまた、犬を助けるために(叱られてるのが可哀そうだから)あげたのは私よ、と嘘をついたのもアリですね。この設定彼女は天使タイプ。

 

物事の事実を知りたいのと、物事を良い方に考えるのは、実は両立出来ます。
事実をその人本人に聞かない限り(笑)

人が関係しなければ、物事の事実も自分の中で決着させても良い。

誰かに言っちゃダメですよ?

誰にも言わなければ『あの人はそう思っていた』を事実として終わらせても良いはず。

(というか、そういう形でしか決着しないことも人生には往々にしてあります)

 

ここではマッキー本人に歌詞の意味を聞かなかれば全て正解。
シュレーディンガーの猫”は歌詞の世界でも成立するんですねぇ。

こんな考え方になったのも、私が歳を取ったからです。

 

マッキーに聞きたい気持ちもあるけれど、曲のテーマはそこにはないのです。
ならば自由に物語を作っても良い(きっと)

 

「今年の冬」は

全てに慣れることで
君がいなくならないように

ここがポイント。

 

「DARLING」では、

誰かがそばにいる意味を
忘れないでいるよ

アルバムの中で言い回しを変えて言いたかった事。
何度も言う程、大事なわけです。

というか、デビューアルバムからずーーーっとマッキーが言い続けているような気がします。
幸せな曲である程、少しだけ切なさも感じます。
きっと、失った事があるからこそ書けた歌詞なんじゃないかって気がして。

 

これを書いてる本日は2020年8月3日。
私は忘れないでしょう、きっと。


全てに慣れることでファンが居なくならないように。

ファンがそばにいる意味を忘れないでいるよ。

マッキーがそう思ってくれたら良いな、と思いつつ、本記事はおしまい。