03. Chocolats et Sweets
人が生まれた瞬間から、ずーーっと自分を見続けてくれる存在が、誰にでもたった一人だけいます。
誰だかわかりますか?
親?兄弟?
いえいえ、違います。
それは「もう一人の自分」
この曲はそんなもう一人の自分の視点で作られた曲だと感じます。
元々はフランス人歌手、クレモンティーヌさんに提供した楽曲。
2008年は日仏交流150周年にあたる年。この記念すべき年に、日本でも15年以上の間フレンチ・ポップの代名詞として活躍しているクレモンティーヌのミニ・アルバム3枚連続リリースを企画。大切な人、素敵な人と過ごす“至福の時間”をシリーズのテーマに、その第一弾にあたる本作は「ショコラ(チョコレート)」をキーワードにカヴァー曲とオリジナル曲で構成しました。
こんなコンセプトで作られたアルバムの一曲なんですね。
CMからオシャレな音楽が流れてきたと思ったらクレモンティーヌさんって時期がありましたね。90年代後半かなぁ。
これはジャズ?ボサノヴァ?
でもどんなジャンルでも、『絶対に槇原敬之』
不思議なんですけど、サウンドをちょっと聞いただけで彼が作ったとわかるんですよね。
文章でもそうです(…このブログでも書いたかな。忘れちゃったので重複したらごめんなさい)
少し読むとこの作家!とわかる作品が好き。そして私はそれこそ天才の証だと思っています。唯一無二を獲得した人は凄いな、と。
歌詞に目を向けてみましょう。
冒頭で書いたように、視点が面白い楽曲。
自分のこれまでを全て知っているもう一人の自分に、『あなた』と呼びかけられている主人公。
男性か女性かは言及されていません。
男性でもチョコレート好きは多いですよね(マッキー筆頭に)
チョコレートもそれ自体が擬人化され、主人公が再びチョコレートを食べてくれるのを楽しみに待っている…。
童話の世界のようですね。
普段、本人が歌う作品はここまでメルヘン寄りではないと思うので、提供作ならではだと思います。
『自分を待っていてくれるものは、愛』
この曲のテーマってこういう事かと思うんですけど、いかがですか?要約しすぎ?
(私が「Love was sleeping.」を書いたから余計にそう思うのかもしれません)
変わらない気持ちを
愛と呼ぶのなら
昔も今も変わらない
甘くほろ苦いこの味は愛の味
ずーっと変わらないってこと
実は意外と難しくて
変わらない、変わってないと思っても、
少し変化していたりする。
食べ物の味ってまさにそうですよね。
(そしてたまに、自分の味覚の変化に気づけないってことも…せつない。料理じゃなくて自分が変わってる…)
だから味を守る事には努力が必要です。
でも、努力という単語はふさわしくない。
愛は覚悟なんだと私は思います。
変わらない、変わらせない、でもその努力を気づかせない。
じっとただ待っている。相手が必要な時に救いの手を差し伸べる。
この曲のキーワードは『チョコレート』なんですけど、サポートしてるのはもう一人の自分。愛はあるよ、変わってないよ、ちょっとあの店行ってみない?チョコレート食べてみよう。客観的に自分をサポートしてくれているもう一人の自分がいると、人間は生きやすいです。知らない間に色んな事を教えてくれます。
もう〆るタイミングなんですが、ちょっと脱線(笑)
最近、十数年前に書いた自分の日記を読んでたんですけど、笑っちゃう位今と同じような事を書いてました(笑)本当にビックリする位。書いた事忘れてるのに、中身は変わらず。私は「言葉」を愛していました。とても。
そして、自分が書いた言葉に非常に励まされたんです。私が獲得した思考はいつも私を助けてくれる、支えてくれる。
まさに今日書いた「もう一人の自分」がちょっと読みにいかない?と誘ってくれたのかなって。
…曲のレビューというより、だいぶ『私』が強い記事ですが(笑)
今回に限ってはいいことにしてください。
この曲をこんな風にレビューする人、この世に私しか居ないと思うので(笑)
あ、もちろん、異論は受け付けます。
私が気づかないこの曲を、他の方が教えてくださるのは大歓迎!
「だけの会」でやりたかった事ってそういう事。
同じ曲を聞いた時、あなたは何を想っていますか?
レビューを読んだ、あなたの気持ちが聞きたいです。
あるみでした。