8. 花水木
来ました、ついに。
「花水木」
若かりし頃の「MY槇原敬之BEST3」に入る名曲(他には「penguin」「THE END OF THE WORLD」がランクイン)
聞くたびに胸が締め付けられるのは、「生涯の恋人」との想い出が記憶に結びついているから。
「君は僕の宝物」で書きましたが、『ドーナツ屋で恋人とドーナツを食べる夢』を叶えてくれた人です。
花水木に描かれるエピソードと同じなのは、彼は五月生まれだったって事位。
それでも、根本に流れる『愛しい人との想い出はいつだって穏やかで切なく甘い』
聞くと本当に動悸が激しくなる位、ぱったりとその場に倒れたくなる位、大好きだけど聞くのはキツイ曲。こんな曲私的に中々ありません。
(「Wicth Hazel」も大好きながらも感情的にはキツイ曲です。でも聞きたい)
私は元彼に魂を半分持っていかれたまま今も生きており、きっと来世でまた巡り合うのだろうな、と勝手に信じてます(そして魂半分になっても普通に生活できるのね、とも実感)
……随分スピリチュアルな文章になってきたのですが(笑)
ひかないでくださいね。
あるみちゃんの戯言とさらっと笑い飛ばしてくださいな。
さて、本題。
「最後のデート」
最後というのは、別れを決めてるのにデートするって事ですよね。
お互いに嫌いになってはいないか、既に恋という感情はないけれど、相手の事は大事に思っているから出来る。
もしくは、彼氏がごねた(笑)でもその想像は美しくないから却下です。
後の歌詞を読んでいっても、結構な時間を二人で過ごしていそうで。
お互い、人として大事に思っているからこそ、別れを嫌な思い出にしないで、綺麗に残したいと思っているのかな。
もしくは彼氏がごねた(笑)二回目(笑)
どうしてもそれが頭から離れないのは、彼氏が一方的に恋を語っているからだと思います。
確率的に、別れたくない方が「最後に一回だけ会おう」っていうのが多いのもあり。
別れようって言った方はもう会わなくても良いから別れようって言ってるわけですよ。
例外として、故郷に帰らなければいけないから、別れるっていうのが昔はありましたね。
今の若い子達には理解できないだろうけど、昔(といっても20年位前)の日本はもっと家父長制に縛られていたんです。田舎は特に。
長男は大学を卒業したら地元に帰って後々家を継ぐべし。
長男だけじゃなくて、娘さんも就職では地元にIターンしなさいっていう風習(?)もありました。
「花水木」が生まれたのは1994年。
今となっちゃ「?」な風潮もその頃は主流だったと思います。
なので、MY設定としては『相性以外の問題で別れなければならなかった二人』の楽曲。
書いてて気が付きましたが、先ほどの『生涯の恋人』は岡山の人で、大学卒業と共に地元に帰ると付き合った当初から言ってました。
そうか、私が「花水木」を好きなのは、そういう事か…(ちなみに別れた理由はそれだけじゃなかったけれど、彼が地元に帰らなければ多分別れられなかったと思います)
「最後のデート」分析に非常に行を使いましたが(笑)
曲に目を向けると。
イントロのピアノが繊細に始まり、徐々に他の楽器が増えていきます。
リズムがループするのは、今までの二人の思い出がどんどん巡るような感覚を覚えますね。
冒頭に入る雑音?はラジオかトランシーバーか。
ラジオ説が濃厚です。車という事で。
でも、トランシーバーだと距離が遠くなったら聞こえなくなる事から、最後のデート=最後の交流に相応しいのかなと深読み。
もっとも秀逸な歌詞が
君の幸せを
はかれるものがもしあったなら
世界中のどこでも
僕はまだきっと探しに行く
こんな歌詞を書けるアーティスト、中々居ません。
詩人だったらいるかもしれない、でも、詩人は曲を書けないわけで。
詩人+天才作曲家のハイブリッドが槇原敬之なわけですよ。
君の幸せをはかれるもの、って何だろう。
幸せは感情だからはかれるものなんかないわけです。
それでも世界中を探しにいくっていうのは、竹取物語でかぐや姫の無理難題な要求を叶えるために、世界中に旅立った求婚者達を少し思い出します。
「好き」という恋愛感情は人にとんでもないパワーを与えます。
まだきっと探しに行く の『まだ』には主人公の恋愛感情が昔と変わらず残っている、そう読み取れます。
さよなら言うことに迷い続けて
つかれてるのに笑ってくれた
君は僕の誇り
とあることから、彼女の方から別れを切り出した事が伺え、それでも『僕の誇り』と彼が言いきれるのは、彼女との信頼関係(愛)が確実に育っていたからかと。
彼は本当に彼女の事が好きでしょうがない。
でもだからこそ、彼女の気持ちを尊重したい。
愛のパラドクスは切ない、あまりにも切ない。
マッキー天才。
……いくらでも称賛の文章を書き連ねて行ける名曲ですが、そろそろお時間です(笑)
長文過ぎて皆様を疲れさせてしまうのは本意ではない。
あと2時間は延々語れるので(笑)この辺で〆ねば。
世の中にはあまたの別れがあり、それぞれ理由がありますが。
こんな別れ方をしたならば、永遠に忘れられないでしょう。
少なくとも、歌詞の主人公は永遠に彼女を思い続けると思います。
宝石の結晶になった記憶はキラキラと輝いて、たまに心の宝箱から出して眺める。
そうすると生きるエネルギーが湧いてきます。
タイトルの「花水木」という樹木、キリストの十字架に使われていたり、英名dogwoodで犬好きなマッキーと繋げて深堀したい所ですが。
マッキーの故郷、高槻に「ハナミズキ通り」があるそうな。
今は空き地は無くなっているようですが(槇友さん情報)実際の場所を設定した事でつけたタイトルなのかな。
あの世界観の花水木の花の色は、ピンクか白かどちらだろうってずっと気になってたんですけど、ハナミズキ通りをネット検索してみた所、両方でした(笑)
まだ訪れたことの無い聖地なので、いつか巡礼したい場所。
ファンの中でも人気曲。
30周年記念アルバムにも絶対入っただろうなぁと妄想しつつ、このまま曲に浸りたいと思います。