TwinTowerTours (a)

ツインタワーズがおくる、槇原敬之(ほぼ)全曲レビュー ライトあるみのブログ

09. The Fog

この曲、凄く好きです。

EXPLORER」はラブソングが少ないんですよね。

だからこそ、私の中で際立ってます。

「君の名前~」よりこちらが好きなのは、多くの恋人達が似たような経験をしたであろうことが想像しやすいからかな、と。

(いや、ずっと仲良しのカップルもいると思いますよ、うん)

かくゆう私も当時同棲してた彼氏と喧嘩して部屋を飛び出した記憶が。

…しかし、追ってこない(爆)

電話してみたら、「いやぁ、帰ってくるだろうと思って」

…精神が安定している人と付き合うとこんなもんです(愛されてないとか突っ込まない、そこ!)ま、私の事を信用してたんだな、という事でよろしいか(笑)

 

…私は『恋』というものは儚いものだと思っています。

”恋は遠い日の花火じゃない”というCMコピーが昔ありましたが、まさに”花火” 

ぱっと光ってぱっと散る、そういう不安の膜で包まれている、不安定なもの、それが恋なのではないかと。

 

その観点から言うと、めっちゃ『恋』を描いていると思うんですよね。

霧は不安の象徴なのかな、と。

 

秀逸なのが、横浜スタジアムが霧のせいで大きな宇宙船に見える、という歌詞。

EXPLORER」のジャケットデザインは宇宙飛行士とかスペースシャトルとか宇宙を感じさせるものでした。

とすると、この曲がこのアルバムに与えた影響は大きいのか、はたまた、アルバムコンセプトが出来てから、書かれたのか?

どちらにせよ、説得力のある歌詞は、彼が体験した霧の想い出なのかしら?と思ったり。

見たこともない物でも、頭の中に映像を浮かび上がらせる歌詞を描く天才ですよね、マッキーは。

 

この曲のテーマは、思考を変化させてみよう、だと思うんです。

霧=不安、と書きましたが、勝手に湧き上がってくるところがそっくりです。

制御しがたい感情である不安。

でも、不安が悪いというより、不安に振り回されてしまうのが苦しさの根源。

霧がたとえ濃くなっても、それに惑う事なく、むしろ霧に感謝さえ出来る。

「太陽」以降から、繰り返されたメッセージですね。

 

君と僕に神様がくれた

不思議な夜を忘れない

 良いですね、ロマンティックな表現です。

恋人達に、何度こんな瞬間が訪れるかわかりません。

でもきっと、人生でそう何度も訪れることはないでしょう。

儚い恋でも、そんな瞬間が感じられたら、その恋の意味があるというもの。

 

透き通る歌声が心地良く、聞いてると良い感じに眠くなります(笑)

アルバムツアーで聞いたきりなので、また生で聞いてみたいな。