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ツインタワーズがおくる、槇原敬之(ほぼ)全曲レビュー ライトあるみのブログ

05. フルサト

突然ですが、皆様、手紙って書きますか?

「フルサト」では手紙が印象的に使われているので、聞いてみました。

今はメールやSNS、LINEもありますから、わざわざ手紙を書く人は少ないかもしれませんね。

歌詞にあるように、手紙を書くのは誰かに『ありがとう』を伝えるためかもしれません。

面と向かって言い難い言葉も、手紙なら素直に伝えられるじゃないですか。

母の日、父の日も、メッセージカードになら照れくさくて言えない感謝の言葉も書けちゃう。

手紙って不思議ですよね。

常々、言葉の力をここでも書いてますが、手紙はそれの最上級と言いますか、時間・労力・金銭、全て必要な分、重みがあると思います。

スマホやPCの画面に映る文字より、紙に手書きで書かれた文字に、何かが宿っているというか。そうか『気』なのかも。書く、という行為でより気持ちが入るのかもしれない。

 

曲の話をしますね。

元々、夏川りみさんへの提供曲です。

ご本人のオフィシャルYouTubeチャンネル見つけたので、貼り付け。

youtu.beイントロのアレンジが違いますね。

私、この夏川さんverの出だし、大好物です。

音の感じが「君の名前を呼んだ後に」の雰囲気と似てるような。

カドカワライナーノーツによると、夏川verは「わたし」「あなた」で、マッキーverは「きみ」と「ぼく」に歌詞を変えたそうです。

どちらも良いけど、マッキーは「君僕」ですよね。しっくりくるのは。

『ご縁』がテーマと書かれています。

ここからは推測ですが、『縁』とかけたかった『円』 そこから、冒頭の

とがった先の鉛筆じゃ だめな気がして
意味のない円を落書きして まるくしてかいた「ありがとう」

 ここに繋がるのかな?

二番の

重なったいくつかの円が 偶然作る花模様
出会いも同じ縁というから 僕にも笑顔の花が咲いたよ

ここにも。

 

曲頭から秀逸な描写がありますね。

『とがった先の鉛筆で書く「ありがとう」じゃダメな気がする』

何気ない一文で、歌詞の主人公の性格が垣間見れるんです。

すげー、マッキー本当に凄いな!見習いたい。

つかみの部分にこれを持ってこられると、もう後は言わずもがな。

提供曲は名曲揃い、この曲も同じく、です。

自曲に比べ、さらに言葉や状況をふるいにかけて、洗練させているというか、ひねりを加えているというか。

人の好みって千差万別ですので、ストレート、ひねり、笑い?(笑)等、それぞれ良さがある。引き出しの多さもマッキーの素晴らしさだと思います。

 

生まれた場所に暮らす人も 故郷離れ暮らす人も
同じように探している 心休まるフルサトのような場所を

 今曲のテーマはこれ。

生まれた街も子供の頃も 何もしらないのに
昔から知ってるみたいに 想ってくれる誰かがいる
封筒の宛先がまるで フルサトの住所に思えた
やっと見つけた 帰る場所は君の心の中

 歌詞が素晴らしさ全てを語ってくれるので、引用ばかりになってますが(笑)

帰る場所は君の心の中。

人が、「フルサト」になるんですね。

こんな良い歌詞なのに、ふっと出てきた諺が

”犬は人につき 猫は家につく”

私の脳め(笑)

 

今記事はレビューに徹しましたので、ちょうど良い位の文字数。

さらっと読めて、曲が聞きたくなる…ってなったら良いな。

 

最後に、カドカワから引用を(こらそこ、またとか言わない!)

”故郷”と書くと、生まれ育った場所ということになるけど、”フルサト”って書くと、新しいフルサトって感じがするじゃないですか

 …「君の名前を呼んだ後に」を思い出したのも、あながち間違っていないのかもしれませんね。

あの曲も、君の元に帰る歌でした。

新しいフルサトが君、帰りたくなる場所が君。

『愛してる』って言葉は一切書かれていないのに、愛が見える、この曲も素晴らしい曲でした。はい。